キスするくせに、彼氏じゃない。
確かに、たぶんではなかった。

私は椅子を引いて座る。

 

近くの席で話していた女子の声が、一瞬途切れた。

 

背中に力が入る。

教科書を置く位置を直し、筆箱を机と平行にそろえた。

 

隣から、椅子を引く音がする。

彼は少し窓側へ寄った。

机の間が、わずかに広くなる。

 

気づかれたのだろうか。

私が、隣に座ることを気にしているのを。
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