キスするくせに、彼氏じゃない。
「……バス、教えてくれて助かった」

「それ三回目」

 

数えられていた。

 

「何回言ってもいいでしょ」

「いいけど」

 

それ以上、何も聞かれなかった。

私は教科書を開いた。

 

少しして、隣から声が落ちてくる。

 

「朝のことなら、気にしてない」

 

顔を向けると、彼は黒板を見ていた。

 

私は返事の代わりに、教科書の角を指で押さえた。

 

*

 
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