キスするくせに、彼氏じゃない。
彼の視線は、もう私のスマートフォンへ落ちている。

 

「裏門なら近いけど、朝は閉まってる」

 

私は反射的に画面を胸元へ戻した。

「……見てたの?」

「見えた」

 

言い方があまりにも普通で、責めたこちらだけが気にしすぎたように聞こえた。

 

彼は車内放送を聞きながら、ホームに目を向けた。

「次の駅まで行けば、バスある」

「その電車が動かないんだけど」

「向こうの線」
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