キスするくせに、彼氏じゃない。
律が隣に立つ。

二人で、赤や黄色の花の間にある札を見下ろした。

 

「……何も合ってないな」

 

真面目な声だったから、余計におかしかった。

 

私は笑ってしまった。

少しだけのつもりが、律まで黙って札を見つめているので、また笑いがこぼれる。

 

「花の名前、全部忘れても……それは違うってわかるよね」

 

顔を上げる。

 

律は花壇を見ていなかった。

 

私を見ていた。
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