初恋、のちパパになる―憧れのあなたは母になっていた―

 「玲君」
「何?」
「私たち、もう……会わない方がいいと思う」
「え……何で?」
「……」
「どうして、そう思うの?」
「これ以上、玲君を……危険な目に遭わせたくないの」

 自分のせいで、玲の命を危険にさらしてしまった。
 遙花自身、玲には感謝をしている。素直に嬉しかった気持ちもある。それでも、これ以上彼が傷つくのは――耐えがたかった。
 だから、身を引こうと決めた。

 それなのに。

「それは、理由にならないよ」
 玲は続ける。

 「僕は弁護士としてじゃなくて、神城玲として、先輩を守りたいと思った。だから、これは先輩のせいじゃない」

「でも――」
「いや、もうこの際はっきり言う。僕は、先輩が好きだ」

 迷いのない、玲の言葉。

「だから、守りたいって思った」

心から溢れ出す、切実な想い。

 私情は挟むまいと、懸命に抑えていた。
 それも今となっては――意味をなさない。

「できれば、この先もずっと」
 
 玲の翡翠色の瞳が、遙花をとらえる。

 遙花の瞳が揺れた。


「今すぐじゃなくていい。今よりもっと落ち着いてからでいいから。僕とのこれからについても、考えてくれると嬉しい」

 そこにいたのは、好意を寄せる女性に自らの思いの丈を伝えた、一人の青年。

「……玲君の気持ちはわかった。でも、今はすぐに答えは出せない。少し、考えさせて」
「うん」
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