お隣さんの距離感がバグってます!
ペダルを漕ぐ足が、少しだけ遅くなる


「……迷惑なわけねぇだろ」


「え?」


「お前と噂されるのが嫌なんじゃなくて……。お前が、あんなに必死になって全否定したから、俺のほうがショックだったっていうか……」


空の声が、風に混じって小さく聞こえた


いつも優しくて爽やかな空が、どこか寂しそうな、拗ねたような声を出すなんて


「空、それって……」


私が驚いて空の背中を見つめた、その時。


「――ちょっと。そこで何をしている、空。鈴音」


前方の交差点から、聞き覚えのある、冷徹で、だけど低く響くよく通る声がした


「げっ……刹那(せつな)さん……!」
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