30秒後に心が疼く。

神の消しゴム


失恋の痛みを消してくれるという、街外れの不思議な雑貨屋。
大好きな彼に振られた私は、すがる思いで「彼との思い出」を消す魔法の薬を飲み干した。



翌朝、すっきりした気分で学校へ行くと、廊下で彼とすれ違う。
胸はまったく痛まない。




だけど、なぜか涙がボロボロと溢れて止まらなかった。


通り過ぎる瞬間、彼が小さく呟くのが聞こえた。




「……本当に、俺のこと全部忘れちゃったんだな。でも、これでいいんだ。



君が泣かなくて済むなら」




彼は、私を傷つけないために、自分の存在ごと記憶を消す選択をしていた。

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