30秒後に心が疼く。
夢の中で
毎晩、夢のなかでだけ会える男の子。
顔はぼんやりして見えないけれど、優しくて、面白くて、私はいつしか夢のなかの彼に恋をしていた。
「いつか現実でも会えたらいいのにね」と夢の中で言うと、彼は「きっと会えるよ」と笑った。
翌朝、寝坊して慌てて飛び乗った電車。
急ブレーキでよろけた私を、近くにいた男の人がパッと支えてくれた。
「大丈夫ですか?」
その声を聞いた瞬間、私の心臓が跳ね上がった。
顔を見上げると、彼も同じように目を見開いて私を見ていた。
夢のなかの、あの温かい声だった。