ミラーボール
実花の『死にたい子は可哀想な子になりたいだけ』と言う言葉は瑞希によって否定された。
瑞希の死にたいは、可哀想とかの次元を越えて、『将来の夢』というカテゴリに分類されていた。
パン屋になりたい、政治家になりたい。
シンガーソングライターになりたい。
そんな形で、瑞希の『死ぬこと』は存在していた。
「死にたいと、思うときがある。追い詰められてんじゃなくて、歌ってるときとか、どんなに満たされていても、ふと、『カラオケに行こう』って感じの凄い軽いノリでね。海を見てて、『あ、今飛び込めそう』って思うときもある。踏みとどまるのは、ここで死んだら面倒かな、とかそんな心配するから。でもいつかね、寿命が終わるときじゃなくて、死にたい。それは悲観じゃなくて、願望なの」
きっと叶ったら幸せ、と場違いな笑顔を浮かべていた。
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