【短編】クリスマス*ガーデン
2 クリスマス*ガーデン

「ひとみさん、お腹空きませんか?」





 どのくらい

 時間がたっただろう?





 克己が、奥の倉庫で何か探しながら言った。





「そう言えば、昼から食べていないわ」



「非常食の乾パンと、体を温めるようにワインがありますよ」





 乾パンって食べたことない

 本当に非常食としてあるんだ?



 克己は、小さい鍋にワインを入れて暖炉の上に置き、見つけてきたカップに、冷たいままのワインを半分ずつ入れた。





「ホットワインになるまで、これで食べましょう」





 私は、初体験の乾パンを口にした。



 かっ、硬い。





「はは♪ 少しなめてれば、軟らかくなってきますよ」



「……」



「? どおしたんですか?」



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