『春・夏・秋・冬~新たな道へ』
最後の俺の問いかけに首をぶんぶん左右に振ってわんわん泣き出した春。


「私、夏といれるなら死んでもいい!」


「おっおいっ、こんな時に縁起でもない事言うなよ!」


そんな俺達を見ていた雪が急に立ち上がって叫びだした。


「すいませーん!夏と春のプロポーズ祝いに一番高い酒持って来て下さーい!」


「お前っ、恥ずかしいからやめろ!」


そして瞳に涙をいっぱい溜めた秋が春に抱き着き優しく頭を撫でている。


ここからすっかり盛り上がった俺達は大宴会を始めた。


その騒がしい席で俺が隣の春にこっそり耳打ちする。


「俺の本当の名前は…。後で正体全部教えてやるよ」


「…ふっ、ふわああーんっ」


「こら夏!また春を泣かせたな!」


「雪ったら春は嬉しくて泣いてるのよ。ねぇ、もう一回乾杯しましょ」


秋の言葉で4人揃ってグラスを持つと雪がコホンと咳払いをした。


「そんじゃ、夏と春、俺と秋の幸せに、そして空から見てる冬に!」


『かんぱーい!』


幾度となく繰り返されるグラスの弾ける音、馬鹿みたいに叫ぶ声、そしてたまに聞こえる泣き声の中俺達4人は心の底から笑い合った。


それぞれの胸に残る冬の記憶と共に。



END
< 10 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop