窓のない窓際
 
「え……?」


俺は水上の手を握った。


暗くてよく見えないけど、水上は多分めちゃくちゃ驚いた顔をしていると思う。


暗闇に紛れて手ェ繋ぐなんて反則だよな。


でも、仕方ねえだろ。


……なんか繋ぎたくなったんだから。


「こうしとけば怖くねえだろ?
俺が隣にいるから大丈夫だって!
映画楽しもうぜ!
な?」

「……」


水上は何も言わなかった。


でも……その代わり、俺の手をそっと握り返してきた。


その瞬間、なぜか鼓動が速くなる俺の心臓。


 
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