【長編】ホタルの住む森

Side 茜


「いやだね。バツゲームを受けるのは茜だ。僕じゃない」

晃はそう言っていきなり私を抱き上げた。

「あ…あきら? なにするの?」

「何って? 逃がさないようにどこかに監禁する」

「はあ? 何を考えているのよ?」

「何って、そのままの事を考えてるよ。
茜があんまりバカな事ばかり考えているみたいだから、どこか遠くへ連れて行って、僕以外の人間と接触できないようにする。
そうすれば茜だって僕にずっと傍にいてほしいって思ってくれるだろう?」

何を無茶苦茶な事を言ってるの?この人は…。

動揺する私を他所に、晃はずんずんと私を抱いたまま歩いてく。

放り込むように車の助手席に私を乗せると、乱暴に車を発進させた。


「晃…どこへ行くつもりなの?」


車は高速に乗り遠くへ遠くへと離れていく。

車を走らせてから1時間以上が経っても一向に車を停める気配はなかった。


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