世界でふたりだけの…


「深翠さんて…変わってる…。」

帰り道、ひとり呟きながら、手に持ったしおりを見つめた。
帰り際に深翠さんが来店記念にくれたもの。
しおりには黒いエプロンを着た男性が描かれている。
おそらく深翠さんが自分で書いたものだろう。

「黒いエプロンがチャームポイントなのかな…。」

疑問は増えていくばかりだった。
しおりをひっくり返すと、そこには直筆で“自分を信じること”と書いてあった。

「これは…、私宛て…?」

本のことも半信半疑だった。
私の光と闇の部分。
一体どんなことが書かれているんだろう…。
夕陽に顔を赤く染められながら、本の内容を想像しつつ家路を急いだ。



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