ハクバの王子

友達の彼女の友達

校長の長い話で入学式は締めくくられた。

『やっと終わったか・・・』

俺を含め新入生達がぞろぞろと自分たちの教室に戻っていく。



「なぁなぁ、お前、名前なんてーの?」

スリッパを引きずって歩く俺に、話しかけてきた一人の男。


「オレ、服部雄也っての。ユウヤって呼んで~」

茶髪でチャラチャラ軽そうな男。
こいつ、ユウヤの第一印象。


でも、意外と話してみるといいやつで
なんか趣味?とか似てたりする。

好きな歌手とか
よく読む漫画とか
好きな映画とか


今日会ったばっかなのに初めて会った気がしなかった。

こんな男は初めてだった。



俺たちはすぐに友達になった。
俺的には“馴れ合い”みたいな友達は好きじゃなかったけど
こいつといると楽しくて
そういうのもいいかもなって思った。


「コウタさ、今日帰り時間ある?」

「何で?」

「友達記念で遊びに行かない?俺の彼女とその友達も呼んでいいよね?」

「おー、いいよ。別に暇だし」



この時は、ホントに軽い気持ちだった。
ユウヤの彼女なんて特に興味ねーし、
彼女の友達ってのも、ただの女だし、
どーでもいいし


そう思っていた。
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