奴のとなり
「おじさんは一樹桃矢の・・・?」
あたしの一言で、
二人の視線は一緒に注がれる。
何・・・?
変なこと言った?
きょろきょろしていると、
奴は珍しく楽しそうに笑っている。
おじさんも困ったように笑うと、
頭を掻きながら
「まだ24なのにひどいなぁ」
と悲しそうな顔をしていた。
しまった!!
高校生のあたしからしたら、
20歳を過ぎればおじさんなわけで、
別に本当にそういう意味で言ったんじゃない。