奴のとなり
ぷっ
似合わない組み合わせに、
思わす声が漏れてしまった。
それに思いっきり睨まれた。
奴はそれ以来あたしを放置した。
あたしもあたしで、
興味あるものが他にもありすぎて、
気にも留めない。
「桃矢の彼女?」
おじさんは楽しそうに
あたしを見つめて言葉を放つ。
奴は表情を変えないまま頷くと、
またジュースを飲んでいる。
「はじめまして、一条桜です」
「さくらちゃんね。ふーん」
おじさんはやっぱり楽しそうで、
あたしまで意味不明に楽しくなりそうだ。
なんだかそういう人。
大人ってこういう人のことをいうんだと思う。