奴のとなり



さっき寝たはずなのに、もう瞼が重い。



瞼を下ろして、心地よさにだけ浸る。



「手」



「・・・、はい」



あたしが眠ったと思って奴は手を休めかけた。



から、叱っておいた。



とろんとしたぬるま湯の中みたい。



ぬるま湯の中、
あたしはゆっくり漂うみたいにまどろむ。



ふわふわして、
足が地面についてるのかさえ疑わしい。










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