奴のとなり
「あたしと一生一緒にいるのが嬉しいの?」
「黙れ」
「あたし一樹桃矢の手好きだよ。
その手に撫でてもらうの、もっと好き」
「わかったから、やめろ」
「あっ胸の中にすっぽり納まるのも好き」
「もういい」
「一樹桃矢林檎みたい」
「・・・おぼえてろ」
なんて言いながら、
奴の顔は真っ赤で、どんどん熟していく。
きっとジュースにしたら美味しいだろうってぐらいに。
あたし林檎ジュース好きだしね。
美味しそうな一樹桃矢は、
あたしがからかったせいで、
怒りも含んだ赤色になってしまった。