奴のとなり
じっとしてても落ち着かないから、
立ったり座ったりずっと動いていた。
たった10分ぐらいなんだけど、
永遠に感じた。
むしろ
このまま永遠に来ない時間が続けばいいって
思った。
でも、
それはあたしが思っただけで、
最後の自由な時間の終わりはすぐにやって来た。
ひどく息を切らした奴がやって来て、
思いっきりあたしを睨みつける。
もう目で殺すみたいに。
それからお得意の
眉間に皺を深く刻むと、
思いっきり深い溜息を吐かれた。
その間あたしは何も言えなくて、
行けなかった理由を
説明しなくちゃって思ってたけど、
全く無理。
何を言っても
地雷を踏んじゃうって気がしてならない。
下手に口を開いて
最悪の事態を自分から招きたくなんてない。
じっと様子を伺っていると、
横に居る彼女のことが視界に入る。
小悪魔さんは奴をじっと見上げていた。
とても愉しそうに。