奴のとなり
もっと深く。
もっと強く。
もっと近く。
もっと、もっと、・・・。
でも、それが叶うことはなかった。
奴の手はあたしを抱きしめたままで、うんともすんとも変わらない。
やっと地上に上がって来て、酸素をたらふく吸い込む。
あたしの体はこんなにも奴を求めてるのに。
最初出合った時みたいに曖昧ならまだしも、今は両想い。
なら、お互いがそう思ってるなら、そういうことになってもいいと思う。
うん、いやそうなるべきだと思う。