奴のとなり
「綺麗な髪ねぇ!!どんなお手入れしてるのかしら」
言葉遣いさえ除いたら完璧に王子様なのに・・・。
どうやら、そっち系の人らしい。
「あっ!!皐月!!この子、お願いしてた子なんだけど」
キサラギさんは、彼に近づき、にこやかに話しかけた。
サツキって名前で、てっきり女の人なんだって思ってた・・・。
男の人だったんだ。
っていっても中身は女性かもしれないけど。
「あらっ!!こんな素敵な子なら大歓迎よーーっ」
そう言って、あたしの手をとり、きゃっきゃっと跳ねるように喜んだ。