奴のとなり
「どう?いつもあたしにして欲しくなっちゃったでしょ?桜ちゃんみたいな素敵な子ならこれからも大歓迎よ」
にっこり花のように微笑むと、手を顔の前で合わせる。
サツキさんは美容師さんだったみたい。
それも予約が先までいっぱいの売れっ子さんらしかった。
この爪は自分でやろうと思うと難しいから、外すときはまたいらっしゃいって言ってくれた。
暇なときは、いつでも来ていいって。
いつもと違いすぎる素敵なあたしに、自分でも気分はランラン。
小さくスキップしながらお店を後にした。
まだ時間もあるし、でもお金はないから家に帰ろうとして気づいた。