奴のとなり
「桜」
気づけば奴があたしの隣に座ってて、いつから隣にいたんだろって不思議。
「あたし・・・、変?」
「あ?」
「やっぱり似合わない?」
「ん?・・・って、あぁ似合わねぇなんて言ってねぇだろ」
「でも無視した」
「それは、あれだ」
「何よ」
「その・・・、いつもと感じが違うっつーか」
「どきどき?」
「は?」
「惚れ直した?」
「調子にのるな」
ツンってされた。
でも、少しの時間を共有した今なら分かる。
これは照れ隠しってやつだ。