奴のとなり



「さんぶっ」



思わず、口を飛び出す言葉。



今日に限って薄着だから余計寒い。



空を見上げるといつの間にかホワイト元旦で、地面に薄っすらと雪が積もっていた。



そこに、足跡が一人分。



辿るように足跡を追いかけ、あたしは奴を見つけた。



奴はコートの上にマフラーを巻いて、寒さなんて感じてないように凛としてた。



あたしはその姿に思わず魅入ってた。



やっぱり奴はとても綺麗。



砂利の音に気づいたのか、奴は視線だけをあたしに向ける。













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