奴のとなり



今、あたしの手の中には奴



ずっと



ずっと



この瞬間を夢見てた



ずっと



ずっと



「素直じゃねぇ奴」



少し笑いながら、桃矢くんの手が頭に触れて



大好きな頭ポンがやっともらえる



学校の



階段の踊り場で



あたしたちは笑い合いながら抱き合っていた



ただ、気になるのは…



不安が顔に浮かんでいたのか、桃矢くんは安心させるように微笑んだ



「んな顔すんな。きちんと終わったから、時間かかっちまったけど」



こくりと頷くと、桃矢くんは安心したのか目を細めて笑う



ほんとに、桃矢くんは綺麗で、あたしに見せる優しい顔がとてもキラキラしてる



キラキラしてる



……



…………



………………!!?



がばっと顔を上げ、桃矢くんから離れた



桃矢くんは急なことに驚き、固まってる













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