奴のとなり



「…なんだよ」



暗黒オーラびしばしの桃矢くん



それでも緩む頬に緊張感は戻らない



笑いすぎて、涙が目尻に浮かぶ



指で拭いながら、あたしは桃矢くんから目をそらして笑いをできるだけ堪える



「桃矢くんとこのお店が似合わないなんて思ってないよっ!ぷっ」



鋭い視線が肌に痛い



「……説得力ねぇんだよ」



「だって!ぷぷっ!!」



「場違いってことは俺が一番分かってる」



そうなのだ



場違いというか、不釣り合いというか…



皐月さんは違和感なく溶け込んでいるんだけど、桃矢くんには些か問題が…













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