奴のとなり
どうやら、あたしはケイちゃん相手だと
素直になってしまうらしい。
それはケイちゃんの持つ何かが、
あたしを素直にさせるんだと思う。
スキとか嫌いとか関係なく、
彼はそういう人間なんだ。
ついつい素直になってしまう自分に悔しくなりながら、
次からは負けないなんて自分の中のルールを勝手に作ると、
あたしは意気込んだ。
「さぁ、来い!!」
もちろん、隣の布団からは
「意味わからん!」
とだけ返ってきた。
どうでもいいようなことを話しながら、
あたしは段々眠たくなってきていた。
言うことを聞かない瞼を強く擦りながら、
必死に隙を見せまいと格闘する。
やっぱり負けそうになっているところに、
ケイちゃんは言葉を投げかける。