奴のとなり


何だ!?


あたしを食べる準備か!!


ここは場を変えるための、
何か温かいトークをしなくては。


そう思うと、
頭の中にケイちゃんが浮かんできて、
確か、
奴に会ったら自慢しようとしていたことがあったと思い出す。


ぱぁっと心の中が輝いて、
あたしは自信満々に威張った。


「ケイちゃんの裸は見慣れた!」


・・・、
自信は一瞬で覚悟へと変わった。


あたしは鬼を、
きっとまだ子鬼ぐらいだった鬼を、
親分級の鬼にしてしまったことに気づいたから。








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