奴のとなり
下校の時間になり、
鞄を掴むとあたしはゆっくり廊下を歩く。
外の寒さが廊下にまで迫り、
外に出たくないと強く思う。
黒のローファーを取り出すと、
冷たい靴に足を入れた。
全身鳥肌が立つようにぞわりとした感覚が全身を襲う。
こりゃーさっさと帰らないと。
溜息を一つ吐き出すと、
ガラスの重いドアを押し開けた。
さぶっ!!
体を抱きしめるように掴むと
マフラーを顔の半分まで引き上げる。
早く帰らないと死ぬ!!
足早に自転車置き場に向かうべく
足を踏み出すと、
柱にもたれかかり俯いている人が目に入る。