奴のとなり



「おいし?」



聞くと、
奴は表情を変えないまま頷いた。



餌付けされる奴は可愛いから、
たまには作ってきてやってもいい。



そんな事を思いながら、二人でご飯を食べた。



大分顔色もよくなってて、
一先ず胸を撫で下ろす。



お昼休みが終わる5分前。



立ち上がり、
奴にどうするかを目で問うと、
奴はベッドにごろんと横になり
「帰るとき迎えに来て」
と目を瞑る。



わかった。
と言う前に、
言い忘れていたことがあったことに気づき、
足を止めて振り返る。



「そうそう、
さっきケイちゃんと一緒に寝てたんだけど、
ケイちゃんっていい男だね」



あんたのこと、よく分かってるし、友達思い。



ちょっと変態で軽いけどさ。











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