林檎と、キスと。
「……」
腰を下ろし、元の体勢に戻った彼。
「……」
きっと、耳まで真っ赤になってしまったであろうわたし。
シャリッ-…
彼に見つめられながら、りんごをかじった。
胸がいっぱいで、これ以上はムリだとわかってるくせに、ゴクンとのみ込む。
シャリッ-…
と。
二度目の音を立てた瞬間に、彼の顔がぐんっと近くなった。
そして、
「な、なにっ!?」
と言葉を吐き出す間もなく、反対側のりんごの端をかじられてしまった。
「………っ!?」
間近にある彼の顔の、どこに目をやればいいのかわからないほど、パニック状態のわたし。
「…え?…えぇっ!?」
ようやく定まったと思った視線の先は、彼の唇だった。
彼は、かじったりんごをシャリシャリと噛み砕くと、ニッと笑った。