有罪モラトリアム

そしてやってきた憂鬱な土曜日。

昼下がり、私は彼を駅まで迎えに行きました。
駅まで徒歩15分といったところでしょうか。
はぁ・・・。なんだかため息がでちゃいます。
姉と母はワクワクしながら(?)彼の到着を待っています。
改札の出口で待っていると、彼が予定通りの時刻にやってきました。

「わざわざすみません…。遠いのに。」

「いえ。構いませんよ。」

彼と2人で家まで歩きます。
すると、彼は私に、

彼「こないだYと話しました。
部室の外で話してたんですけど、Fさんも気づいて途中から3人で話しました。」

と、報告をしてくれました。
そして、「これ、Fさんがユキさんにって。」と、手紙を手渡しました。

手紙・・・?
何が書かれているんだろう・・?

「僕は読んじゃだめだそうです。」

「なんですかね・・・?」

「FさんはYのこと説得してくれました。
ユキさんに謝りたいって言ってましたし、
ユキさんが困ることは書いてないと思いますけど。」

「Yさんは…納得してくれたんですか?」

「Yもユキさんに謝りたいみたいでした。
いつでも遊びに来てください、だそうです。」

「Yさんが・・?」

「はい。Fさんが説得したらイチコロでしたよ・・・。」

「・・・良かったですね・・・w」

「ちゃんと話せて良かったです。」

「後でこっそり読んでみますね。」

中身、気になるなぁ…。
Fさんってどんな人なんだろ?
顔は知ってるけど、話したこともないや。
どんなこと書いてあるんだろう?
でも仲直りできたっぽいし、良かった・・・。
彼が嫌われてるなんて、すごく嫌なことだもん。

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