有罪モラトリアム


熱くて、長くて、ため息のでてしまうような夏の夜。


私は女になった。


体は確かに痛かった。


思い出すと顔を覆いたくなるほど恥ずかしい。


でも、ずっと好き合っているのに


足りない、満たされないと感じていた部分が埋まっていった。


それはとても幸せなことで、


その喜びを知るのも初めてのことだった。


自分が女であるということに、


彼を受け入れられる体を持っていることが嬉しかった。


そしてますます彼を愛しいと思うようになった。


愛されているという自信を持つことができた。




カナタ、だいすき・・・。



ううん、あいしてる・・・。



ずっと、ずっと私の傍にいてね。



もう離れることなんて、できないよ。


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