有罪モラトリアム

映写が始まります。
クラゲの特集シーンや、海で光る生物の特集シーンがいっぱいありました。

きれい・・・。
こうして見ると、海と宇宙ってなんだか似てる気がする。
プラネタリウムみたい。
暗闇に、光。
暗い所に光があると、どうしてこんなに綺麗にみえるんだろう。

映写が終わりに近づき、スタッフロールが流れると、
人があっという間に減っていきました。

私「綺麗でしたね~・・・。みとれちゃった。」

彼「なんか深海と宇宙って似てませんか?」

私「あ!私もそう思ってたところです!」

彼「やっぱり似てますよねw」

私と同じ事考えてたんだ・・・。
ちょっとしたことだけど、そんなことですら嬉しい。

2人で立ち上がってシアタールームを出ました。

このとき、既に時刻は18時過ぎ・・・。
水族館の中にいると、外の景色がみれないから夜が来たのに気づきません。
広い水族館も、やっと順路の終わりが近づいて来ました。
最後のおみやげコーナーで、なんとなくペンギングッズを物色。

ぅぅ、この王様ペンギンのヌイグルミ可愛い・・・。

彼「欲しいです?」

私「えっ!」

彼「プレゼントします。」

私「そんな!いいですよ・・・。指輪だけで十分嬉しいんですから。」

彼「僕が買いたいんですw」

そういうと、彼は私からヌイグルミを取り上げてさっさとレジへ行ってしまいました。
デート代も奢ってもらってるのに・・・。

彼「はい、どうぞ。」

ポン、と私に手渡してくれました。

私「ぅぅ。すみません・・ありがとです。大事にしますね。」

ぬいぐるみが欲しいだなんて子供っぽいって思われなかったかな・・・。
でも、すごく嬉しいなぁ。
私も彼にお返しがしたいな・・・。

彼「お腹すきましたか?」

私「まだ大丈夫ですよ。」

彼「すぐ近くの公園に、観覧車があるみたいなんですけど、
  乗りますか・・・?」

観覧車・・・。
すなわち、密室で2人っきり?!
そ、それもちょっと緊張しちゃうかも?!

私「えと・・。」

彼「せっかくなので行きましょうか。」

そう言ってニッコリして、私を連れて行ってくれました。

き、緊張する・・・。
< 88 / 287 >

この作品をシェア

pagetop