僕たちは回り続ける
声は間違えなく義則だった。そして肝心のルックスは――。
「あーっ!!」
間違いない、約束の君。駿と瓜二つのその顔は、彼よりも少し柔らかく。梓の声に教室中がざわめく。梓ははっと我に返り席に着く。顔から火を噴きそうだ。
「……櫻井義則です」
にっこりとほほ笑んだその笑顔は梓には輝いて見えた。
幼稚園では同じ年だったはずだが、留年と聞けば納得する。普通はあり得ないの
だけど、家が家だけに隠ぺい工作として年齢をずらしたのだろう。
「席は中岡の隣」
義則と眼が合う。彼はふふと笑う。心臓がどきんとはねた。
「よろしく、中岡……」
「梓です」
「梓ちゃん」
満面の笑みがまぶしい。やつれていた体はまだ痛々しいほどに細いが前よりはふっくらしたと思う。
「宜しくね」
「はいっ!!」