永遠の約束-約束のはじまり-





 綺羅の剣を見た瞬間、攻撃態勢に入っていた物体が躊躇する。





 その一瞬の躊躇を見逃さず、綺羅は物体に斬りかかる。


「真里っ! すぐに龍野先輩を連れて、ここを離れろ! おそらくこいつにはお前の結界能力も効かない!」


「あ………、う、うん。わかった!」





 真里は何度も頷くと、綺羅に突き飛ばされた翔の体を起こす。


「さあ、先輩。早く…」





 真里の言葉を翔は手で制止した。


「どうやら、逃げなくても大丈夫そうだ………」


「………え?」





 翔のその言葉につられるように、真里は翔の視線の先を見つめた。











 一方、綺羅は目の前の敵に精一杯だった。


 一度戦って危険な目にあったからこそ、物体の強さは身に沁みてわかっていた。


「くそっ!」





 一瞬の躊躇に斬りこんだというのに、綺羅の攻撃はそれほど物体にダメージをあたえなかったらしい。





 あの時と同じように何度も少女の姿を見せられていたら、自分の攻撃にも戸惑いが見られたかもしれないが、今回はそのようなことはしないらしい。


 それがなぜなのか、綺羅には全く持ってわからないが、とにかく、そこは安心した。


 だが、いくら戸惑いがなくなったといっても、情勢が不利なことには変わりはない。




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