実の弟に恋をしました。



「ずっと一人だった。親の愛も知らなくて──…」


「……雄司」



その横顔が、あまりにも寂しそうで。


あたしまで悲しくなる。


雄司に異常な性癖があっても

酷い言葉で罵られても


一度は、本気で好きになろうとしたひと。


初めて手を繋いだひと。


…そう簡単に、嫌いになれるわけが無かった。



「そんなとき、真弥に出会った」


──ドキッ。

鼓動が高鳴る。



「真弥は、俺の太陽みたいな存在だった。孤独だった俺に、愛情をくれた唯一の女の子──…」



雄司……。




< 75 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop