恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
第九章 ほっぺにチュウ
年の暮れ

12月14日

ほのかに雪がちらほら降ってきた日、仕事が終わった後に夜、また車の中で話ししていた。

雪だるまの愛車、ヨォ!ゴクウ号の助手席にいた。

いつもの様にたわいも無い話をして会話が弾んでいた。

外は寒いのに俺の心はとても温かかった。車の暖房が少し暑いと思えた。

それは、雪だるまと一緒だから・・・

冬なのに陽だまりの様な柔らかい笑顔が長い時間、見ていた様な気がした。

この時はこれだけで幸せだった。

はずなのに・・・

一緒に居るだけで、そばに居るだけで幸せという事を人は段々忘れていく。

この後 馬鹿なおじさんは一緒に居るだけで幸せなことを忘れていく・・・

多分 今の俺の状態の原因のひとつに違いない。

そして この後 またミラクルな事が起こった。

いつものように話し込んで、時間も遅くなり帰ろうとした。

『じゃね。』と言って俺は彼女の顔を見た。
もう一度、陽だまりの様な笑顔見たかったから。

でも、俺の求める顔ではなかった。

虚ろな目で俺を見つめ帰り返答が無かった。
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