ボーダーライン〜キャバ嬢×ボーイ〜【完】
似たような傷を抱えたアタシたちは、自然とくっつく運命にあったのかもしれないね。
傷の舐め合いですらなかったとしても…
過去を引きずってしまうとしても…
そこに意味はあったんだって、思いたい。
「アタシ、チョコ!!」
「俺、バニラ!!」
2人して、アイスを食べる。
「歩きながらだと行儀悪いし、あそこ座ろ?」
「うん。」
「ねぇ、ちょっとちょうだい?」
「いーよ。」
穏やかな時間だった。
今まで隠し続けていたことを、明かした今…
本当に清々しい気分だ。
否定されなかったからだろう。
心から。
人の嘘は大体見抜ける。
だけど、似たような経験をしたユッキーは、否定なんかするわけがないと、心から思えたから。