天使のいいなり

●すれ違い

どれくらい走ったんだろう。


苦しい…。
でも、今光莉ちゃんを1人にしちゃダメだと思った。


「光莉ちゃん、待って!」


走りながら、何度も光莉ちゃんの名前を呼んだ。

さすがにしつこいと思ったのか、光莉ちゃんの走る速さは徐々に遅くなり、ようやく止まってくれた。




「なんで付いてくるんですか!?あたしのコトなんか、放っておいてくださいよ。」

「光莉ちゃん、辛そうな顔してたから…。なんか悩んでるコトあるなら、私でよければ話…聞くよ?」



光莉ちゃんは大きく溜息をつき、呆れた顔で私を見る。


「どこまでいい子ちゃんぶるんですか?さっきの話聞いてました?忘れたんなら、もう1度してあげますけど。」



力強い瞳で私を見る。

まるで、何かが吹っ切れたみたい…。



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