天使のいいなり

●紗英ちゃんの提案

食事を終え、みんなでお茶をしているトキ、紗英ちゃんがカバンからチケットらしき紙切れを取り出してきた。



「じゃじゃーん。ねぇ、みんなで旅行行かない?会社でね、半年に1回頑張った人に宿泊券プレゼントっていうのやってて、貰っちゃったー。本当は4人ご招待なんだけど、お願いして5人にしてもらったんだ。」

「行く!絶対に行く!!」


アッキーが手を挙げ、前のめりになって叫んでる。


「明仁とじゃないの、小松家の話。父さん・母さん・あたし・里緒・瑞己くんの5人ね。」

「え?俺もいいの?」

「もちろんでしょ。来週で1泊2日の温泉旅行♪来週父さん帰ってくるから、ちょうどいいでしょ?」



小松家の大黒柱でもあるお父さんはいるんだよね、ちゃんと。

うちのお父さんって考古学者なんだけど、遺跡発掘に夢中になりすぎて、あんまり家に帰ってこないんだよね。
まぁ、帰ってこないと言っても、単身赴任中だからなんだけどさ。



温泉かぁ。

夏休みもあとちょっとだから、いいかもね。
そうと決まれば、何着てこっかな。
バーゲンで買っといたワンピース、あれにしよっかな♪



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