天使のいいなり
「里緒!!ほんっとうに無事でよかったぁ…。」



病室に入ってくるなり、私をきつくギュッと抱きしめる。

ふわっと、シトラスフローラルの香りがした。
この匂い…。


「つぐみ…?苦しいよ。」

「あたしのコト、ちゃんと覚えてる!?」


つぐみの後ろには、アッキーと夏目センパイ。
みんな、心なしか息が上がってる。
もしかして、みんな心配してくれてたの?



「心配かけて、ゴメンね…。」

「意識ないって聞いたトキ、どうしていいか分かんなかったんだからね。」


私の大切な友達。
一生の友達。
つぐみならきっと…。


「ねぇ、つぐみは…、分かるよね?瑞己のコト。」


砕け散った私の期待。
つぐみも、アッキーも夏目センパイも同じ反応。


認めたくないけど、瑞己はもう元の時代に戻っちゃったの?
それなら、どうして誰も瑞己のコト覚えてないの?
どうして今が7月なの?


時間は戻らないハズでしょ?
今は8月じゃないの?


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