天使のいいなり
<3.5> side.夏目

●彼女

忘れていた感情。

君に出会ってよみがえる、この感情。



***************


初めて『彼女』という存在が出来た、高2の初夏。

同じクラス。
隣の席。
彼女の横顔。

自然と目で追うようになった。

そんな僕の視線に気づいたのか、桜も散り葉桜へと変わった頃。


彼女と目が合った。
いつもと違う。
視線がはずれない。

そして一言。

「ねぇ、あたしと付き合ってみよっか。」



これが、僕と彼女のはじまり。




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