欲しいのは…
『え……?』
知らない声がした。
悠より声のトーンが低くて、背も高く、悠に負けじをとらないほどの綺麗な顔の、男の人。
「はぁ?こっちが先に見つけたんだからあんたはどっか行ってろよ」
「ボコボコにされてぇのかよ」
先程と打って変わって、チャラ男は掴み掛かる勢いで男の人を睨みつけている。
だが男はそんなの気にならないといった様子で冷静に言った。
「別に殴ってもらって結構だけど、俺、職業警察関係だし空手やってるぜ?」