欲しいのは…
『…――っ』
わけがわからない言葉に息を詰まらせてしまった。
それだけじゃない。
初めて見せた悠の切なそうな顔に、胸が痛んだ。
なに……
誰に言ってるの…?
お願いだから、そんな顔しないで――
「お前―…由紀に、辛い思いさせてるって、わかってた。本当に、ごめん」
『――っえ…』
悠に謝られるなんて初めてだから対応がわからない。
――でも、よく考えれば
悠の彼女はあたしって言っても
知らないことのほうが多いや――…
「悪かった、…だからそんな悲しい顔すんな……―」
そう言ってあたしを抱き寄せた悠の腕は
震えてた。