運命の弄び
私に出来る事なんてたかが知れているけど、
出来る事ならとにかく進んでやった。
少しでも負担を軽く出来るなら……、
私は自分なりに零二を励ますことにしたのだ。

そして彼がいつか悲しみから立ち上がれた時、
その時は明るく出迎え、
彼の復帰を心から喜ぼう。
それが私に出来る唯一の事と信じて今日という日を待った。

だから昨日、零二の久しぶりの元気そうな声を聞いて、
本当に嬉しかった。

嬉しくてちょっと暴走しちゃったわけなんだけど、
それぐらい今日までの日々が長く感じた。


……本当に長く感じた。
学校ではいつもアイツの事ばかり頭を巡らせて、
その行き帰りではいつも隣にいるはずのアイツがいない。
たった一週間なのに。


でも零二はどうだったのだろうか。
零二にとってこの一週間は心身ともに休ませ、
心の整理を付けるのに不可欠な時だったに違いない。
零二とさやかさん、
近所では周知の本当に仲のいい姉弟だったから……。
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表紙・目次

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