運命の弄び
……走る事、数分。
全力疾走の甲斐あって、
四時ギリギリに駄菓子屋の前に着いた。
駄菓子屋の名前は『なずな』。
これは前店主のおばあちゃんが薺さんを産んだとき、改名したそうだ。
ちなみに前の名前は『いずな』。
これはおばあちゃんの名前である。
木造建築の柱は所々傷があり、年代物という感じだ。
改装したのは約三十年前だそうだから、
見ただけで老舗、良い意味で昔ながらの雰囲気、趣が感じられる。
横に引く引き戸をがらっと開けると、
カウンター越しにお客さんと話している薺さんの姿があった。
「よおーっ、零二くんっ」
「どうもです、薺さん」
俺の姿を見ると、
手を振りながらまるで歓迎するように笑顔で迎え入れてくれた。
三十代(歳は教えてくれなかった)を過ぎたとはいえ、
まだ十代と言っても十分通じそうな程、
若々しく、エネルギッシュな薺さん。
たまに男みたいな口調になり、
怒ると怖い人だが、
基本的には明るくきっぷの良い性格で、
常連さんにも親しまれている
全力疾走の甲斐あって、
四時ギリギリに駄菓子屋の前に着いた。
駄菓子屋の名前は『なずな』。
これは前店主のおばあちゃんが薺さんを産んだとき、改名したそうだ。
ちなみに前の名前は『いずな』。
これはおばあちゃんの名前である。
木造建築の柱は所々傷があり、年代物という感じだ。
改装したのは約三十年前だそうだから、
見ただけで老舗、良い意味で昔ながらの雰囲気、趣が感じられる。
横に引く引き戸をがらっと開けると、
カウンター越しにお客さんと話している薺さんの姿があった。
「よおーっ、零二くんっ」
「どうもです、薺さん」
俺の姿を見ると、
手を振りながらまるで歓迎するように笑顔で迎え入れてくれた。
三十代(歳は教えてくれなかった)を過ぎたとはいえ、
まだ十代と言っても十分通じそうな程、
若々しく、エネルギッシュな薺さん。
たまに男みたいな口調になり、
怒ると怖い人だが、
基本的には明るくきっぷの良い性格で、
常連さんにも親しまれている