恋スル目線


「そっかー。お前の気持ちはよーく分かった。」


そう言って英司は,乗っていたチャリをいきなり降りて両手で俺の肩をつかんだ。


「ハル。お前明日告れ。」


チャリから降りようとする俺に英司が一言言い放った。



「はぁ!!?いきなり何言い出す…」


「だって…お前,悔しくないのかよ!!いきなり出てきたヤツに佐野ちゃん取られてもいいのか!?」


「それは…」


「だろ!!?だから明日告れ!!」


「…でも,佐野が佐伯の事好きだったら…。
それに,いきなり告るとか…」



「お前それでいいのかよ!?
後悔しないのかよ!!?
行動しないまま終わっていいのかっ!!?
そんなの,ハルらしくねーよ。」



その英司の一言が胸に響いた。



「…俺,らしくない…。」



そうだよな。

こんな中途半端な気持ちで終わるなんて…

まだ何もしないまま終わってしまうなんて…


俺らしくねーよな。




何だか,急に胸がスッキリした。


「ありがとな。
英司のおかげで決心ついたぜ。
俺,後悔だけはしたくねーもん。このまま終わるなんてぜってー嫌だ。

俺,明日告ってみるよ。」



「おぅ。
そっちの方がハルらしい。」



俺は英司に礼を言って,チャリにまたがり家に帰った。


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