来る来る廻る


駅のロッカールームに、あらかじめスーツと靴を入れて置いた。

公衆トイレで着替え、鏡を前に髪を整える。

よし!ホスト仁 完成。

ライオン小屋へと向かった。

リコ…果たして今日も店へ来る予定かどうかはわからなかったが…いずれは店で、顔を合わす事になるだろう。

眠り姫よ、お前の語っていたおばあちゃんって、ホストの事なのか?

お前の真実を知りたい。

この宙ぶらりんの気持ちを…ぶら下げられたこの細い糸を…お前の手で切ってくれ。

真実と言う名の刃物で、スパッと気持ち良く、俺は切られたかった。

ゴールドライオンの瞳は、サファイアとルビーをイメージした、右目はワインレッド、左目はブルーだった。

二色の瞳に迎えられた俺は、重いドアを開けた。

そこには、店長の武田が立っていた。

「仁君、おはよう!おぉ!スーツ着てると、一段といい男!頑張ってくれよ、期待してるよ。今、拓也を紹介するからちょっと待ってくれるかい?拓也~いるかな?」

「拓也さん、今日は休むって言ってましたよ」

ホストの一人が答えた。

「そっか…休みか…じゃ、翔! ちょっと来てくれ~」


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